子どもの結婚!結婚式の披露宴での花束贈呈、謝辞、お見送り~親の準備・心得・負担

披露宴の最後は、新郎新婦からの花束贈呈、そして親の謝辞で締めくくるケースが多いでしょう。

新郎新婦の両親にスポットライトが当たる重要な場面ですから、子どもが安心できる言葉を選んだり、威厳あふれる堂々とした佇まいで謝辞を述べたりできるよう、準備や練習を重ねておきましょう。

花束贈呈の準備と流れをチェック

披露宴を行う新郎新婦の多くが取り入れているのが、両親への花束贈呈です。このタイミングで新婦から親へ感謝の手紙を読む例が多く、披露宴の中でもっとも感動が生まれる場面だと言えます。

「恥ずかしいからどうしても無理」いう場合は、早めに断りを入れるのも一つの手段ですが、新郎新婦だけでなく、招待客も新婦からの手紙や、花束贈呈を楽しみにしているケースが多いため、できれば受け入れてあげたいイベントです。

花束贈呈について、あえて親が準備することはありませんが、「招待した祖父母にもプレゼントを贈りたい」といった希望がある場合は、お花や品物選びについて助言してあげると良いでしょう。

当日は、左右に並んだ招待客に見守られながら、上座方向に新郎新婦が立ちます。両親は互いの子どもたちと向かい合うように下座で待ちましょう。父親と母親の立ち位置は、新郎新婦共に、父親が中心に立ち、その隣に母親が並ぶようにします。

その後、新郎新婦が両親へと歩み寄り、用意した手紙を読んだり、花束を渡したりしますが、遠方での結婚式などでは、花束を持ち帰るのが難しいため、花束贈呈の代わりに親が喜びそうなプレゼントを用意する例も増えています。

ペアグラスや旅行券、家族の写真やアルバム、お酒、花時計、ウェイトドール、ポエムなど幅広い演出が考えられますが、どれも子どもが親のために考えたものですから、喜んで受け取るようにしましょう。

また、最近では二人の生い立ちや、両親へのビデオメッセージを用意する演出が人気となっています。これらの演出は、花束贈呈前のタイミングで行われることが多いため、子どもたちが希望しているようなら、その流れに合わせるようにしましょう。

謝辞の準備と流れをチェック

花束贈呈が終了すると、続けて謝辞を行う流れになります。花束贈呈のタイミングで、新郎新婦、父母共に下座へ揃っていますから、そのまま左右で見守ってくれている招待客に向けて、御礼の言葉を伝えましょう。並び方は、中心が新郎新婦、その隣に父親、母親と続きます。

ここまで、たくさんの準備を行ってきましたが、親は助言を行ったり、手の足りない部分をサポートしたりする、影の存在でした。ですが、謝辞だけは親が主体となり、親の言葉で来て頂いた招待客へ、挨拶を行う必要があります。

以前は新郎の父親が謝辞を述べるケースが一般的でした。ですが、最近では新郎の父親に次いで、新婦の父親も謝辞を述べる場合があるため、段取りを事前にチェックし、必要であれば新婦の父側も、忘れずに原稿を用意するようにしましょう。

謝辞では、スタンドマイク、もしくはワイヤレスマイクを使って言葉を述べる場合が多いでしょう。スタンドマイクの場合は、すっと良い姿勢で立った時に、口元へマイクが来るよう調節してから始めます。

ワイヤレスマイクの場合は、背筋をピンと伸ばし、品のある立ち居振る舞いを目指しましょう。マイクは立てすぎたり、口元に近づけ過ぎたりしないようにします。ふらついたり、猫背になったりしないように注意し、はっきりとした言葉で謝辞を述べますが、「マイクに慣れていない」「人前で話すのが苦手」という場合は、カラオケボックスなどで練習を行うのも良い手段です。

謝辞は1~2分程度と長いものではありませんが、原稿を覚える自信がなかったり、緊張で頭が真っ白になってしまいそうだったり、という場合は、メモを見ながら話しても構いません。当日までに何度も家で読み、抑揚や息つぎのタイミングのチェック、第一声から震えず堂々と声が出せるようにする、など自信が持てるまで繰り返しましょう。

正しい謝辞原稿の作り方

謝辞には、使ってはいけない言葉や話題、読みやすい文字数、必ず含みたい内容などが決められています。これらの制限をクリアしつつ、自分らしい言葉でお礼が述べられれば、招待客の気持ちを和ませた状態で、結びのお見送りを迎えられます。

謝辞の例文を参考に作成しても、もちろん構いません。文章が苦手な場合は、ブライダルコーディネーターさんなどに、相談してみるという方法もあります。いずれの場合でも、結婚を祝福している気持ちや、招待客と今後も良い関係を築いていきたい、と言う想いがきちんと相手に伝われば、良い謝辞となるでしょう。

<謝辞で使ってはいけない言葉を知ろう>

謝辞では、二人の門出に暗雲が立ち込めるような、忌み言葉や重ね言葉を使うことは禁忌されています。普段何気なく使っている言葉であっても、謝辞には向かない文言である場合が考えられるため、原稿にこのような言葉が入っていないか、何度もチェックしましょう。

「忌み言葉」に該当するのは、別れを予見する言葉全般です。別れる、分かれる、切る、破れる、失う、重ねる、折れる、離れる、枯れる、飽きる、辞める、去る、冷める、割れる、亡くなる、死ぬ、壊れる、消える、病む、倒れる、散る、滅びる、終わる、負ける、嫌うと言った言葉の他に、不吉だと言われている四や九といった数字にも注意します。

「重ね言葉」も再婚を予見させるため配慮が必要ですが、つい使ってしまう言葉が多いため、特に気をつけましょう。該当するのは、さんざん、しばしば、またまた、かえすがえす、つぎつぎ、わざわざ、たびたび、そろそろ、とうとう、ちかぢか、いちいち、いよいよ、くれぐれ、いろいろ、かさねがさねといった言葉です。再婚の「再」を使った、再び、再度、再来、再会といった言葉も使用しないようにしましょう。

とはいえ、原稿を作っているうちに、どうしてもこれらの言葉を使いたい場面が出てくるかもしれません。そんな時には違う表現へ変えることで、原稿を大幅に訂正する必要がなくなります。家へ帰ると→家へ戻ると、会社を辞めて→家庭へ入って、ろうそくを消して→ろうそくに息を吹きかけて、しばしばあります→よくあります、そろそろ結婚→近いうちに結婚、といった風に、忌み言葉ではない、重ね言葉でない表現へ変更することで、内容を変えずに納得のいく文面の謝辞が作れるでしょう。

<謝辞で使ってはいけない話題を知ろう>

謝辞には、使ってはいけない言葉だけでなく話題もあります。結婚式と言う場にそぐわない内容の謝辞は、その場の雰囲気を悪くしてしまうため、事前にNGな話題を知り、内容へ含めないよう配慮しましょう。

お祝いの席で使ってはいけない話題には、結婚相手やその家族についての批判や過去の暴露、自分や身内の自慢、第三者の悪口、悲しいニュースや他人の離婚話、病気や入院の話、下ネタなど、聞いている人間の気分を害すような言葉は選ばないようにします。

また、本人に悪気が無くても、政治や宗教、尊敬している偉人や著名人、野球をはじめとするスポーツ、ギャンブルやタバコなど、人によって考え方が異なる話についても、避けるようにしましょう。

<基本の謝辞原稿の作り方>

謝辞原稿の作成を決めたら、まずは必ず盛り込みたい事項から埋めていきましょう。謝辞を述べる人間の自己紹介、結婚式・披露宴へ参加してくれた主賓や招待客、祝辞へのお礼、新郎新婦をサポートして貰えるようお願いの言葉、締めの言葉と続けていきましょう。

伝えたい思いが溢れて、原稿用紙が何枚も必要になってしまいがちですが、長すぎる謝辞は披露宴の進行を滞らせたり、招待客を疲れさせてしまったりといった原因になります。ゆっくり、分かりやすい口調で読んだ場合も、1~2分で終えられる内容を目指すと良いでしょう。原稿用紙2~3枚程度を目安にすると、ちょうど良い長さの文章になります。

完成後は、忌み言葉、重ね言葉をチェックし、実際に時間を計測しながら声に出して読んでみましょう。長すぎたり、短すぎたりするようなら、言葉を追加、削除したり、言い回しを変えたりしながら、調整します。文章は良くても、口に出すと読みにくい、という言葉もあるため、舌がうまく回らないような表現があれば、無理に練習するのではなく、読みやすい言葉へ変更しておきましょう。

お見送りの準備と流れをチェック

謝辞を述べたら、新郎新婦と両親で招待客を見送って、披露宴は終了となります。結婚式場などの場合は、司会者が、披露宴がお開きであることを伝えてくれますので、出口へ移動し、招待客へお礼の言葉を述べましょう。

この時、新郎新婦が選んだ曲をかけたり、準備しておいたプチギフトを手渡したり、といった演出を行うケースが多いでしょう、プチギフトを招待客一人一人へ声をかけながら見送ることで、最後まで気遣いに溢れた、思い出に残る披露宴になるでしょう。

感謝の言葉はいくらあっても足りないものですが、お見送りで大行列を作ってしまうのはNGです。「結婚式、披露宴は素敵だったのに、最後の行列で疲れてしまった」という声も多いですから、一人30秒以内を目安に、スムーズな進行を心がけましょう。テーブルごとに順次案内し、招待客が座って待っていられるような進行もおすすめです。

仲の良い友人相手の場合、話が弾んでしまいがちですが、二次会の予定があるような場合や、すぐにまた会える職場の同僚などは「二次会でゆっくり話しましょう」の一言で済ませるなどの配慮を行うと渋滞ができにくくなるため、親から子どもへアドバイスしてあげると良い部分です。

主賓については、車までお見送りを行うケースが多いでしょう。新郎新婦、それぞれの両親揃って、来て下さったことへのお礼を述べた上、心を込めてお見送りをします。主賓が一番に退出する流れになっている場合は、全員をお見送りするまで待っていてもらう必要があるため、控室を準備しておきましょう。

主賓、媒酌人ともに、お見送りのタイミングで御車代を渡す例が多いですが、事前に受付に預けておき、受付スタッフから渡してもらうとよりスマートです。

媒酌人がいる場合は、一緒にお見送りへ加わってもらいましょう。この場合、新郎の隣が媒酌人、新婦の隣へ媒酌人婦人が立つようにします。全員を見送り、すべてが滞りなく終わったら、改めて媒酌人へ今日までのお礼を述べましょう。以前は、後日出向いてお礼を持参する例が主流でしたが、最近では披露宴後に渡すケースが多くなっています。

このように、主賓や媒酌人は最後まで残ってもらい丁寧なお見送りを行いますが、事情があり、急いで帰らなくてはいけないような場合も考えられます。こうしたケースでは、新郎新婦、両親はお見送りの場で招待客を見送り、兄弟や近しい親戚などに主賓、媒酌人を見送ってもらえるよう依頼しましょう。

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