子どもの結婚!両家顔合わせ親の準備~食事会・挨拶・手土産・支払・服・座席位置席順など

子どもの交際相手と顔を合わせ、婚約話を進めていくことに同意できたら、次は相手の親と顔合わせする場を持ちます。両家顔合わせが滞りなく行われ、お互いに気持ちよい時間となるよう、知っておくべき作法やマナーを覚えておきましょう。

顔合わせの日時や場所を決める

相手の両親との顔合わせをする場合、まず日時や場所を決める必要があります。子どもたちの希望に任せて構いませんが、食事会スタイルになることが多いでしょう。また、この食事会が子どもにとって「結納を兼ねた顔合わせ」であるのか「結納前にお互いの家族で行う顔合わせ」であるのかは、必ず確認しておく必要があります。

というのも、最近では結納を行わず、両家の食事会を持って結納の代わりにするケースが7割程度と、非常に多いのですが、そうとは知らず親側が“結納前の簡単な顔合わせ”だと認識していた場合、後々トラブルとなってしまいます。顔合わせの場で、結納や婚約の形について相談する、というケースも考えられますから、ここは親側が踏み込んで質問しましょう。

顔合わせの食事会は、どちらかの家庭へ負担が偏らないよう、ホテルやレストラン、料亭などの個室で行うことが一般的です。両家の家が遠い場合は、互いの家の中間点または双方同意の上、どちらかに近い場所を食事会の場所に選ぶようにします。

場所の予約が済んだら、“誰が料金を負担するのか”も事前に明確にしておきましょう。「両家の親が半分ずつ出す」もしくは「子ども側が半分ずつ出す」という、どちらかのケースになることが多いでしょう。

両家の親が費用を支払う場合は、あらかじめ食事代を用意しておく必要があるため、料金が決まっているコース料理を予約しておくようにします。子ども側が費用を支払ってくれる場合は、ありがたく受け入れ、好意へ甘えるようにしましょう。結納を兼ねた顔合わせの場合は、1万円程度の予算になることが一般的です。

また、場合によっては、相手の自宅へ訪ねて行く場合もあるでしょう。このケースでは、主に女性側の実家へ男性側が赴きます。“結婚に向けた顔合わせ”と言うおめでたい席ですから、華やかさのある手土産を用意すると良いでしょう。縁起の良い意味を持つお菓子などを選ぶと喜ばれます。両家が離れている場合は、地元で有名なお菓子やお茶などの商品もオススメです。

顔合わせの時の服装はどうすればいい?

顔合わせの際の服装は、両家で合わせるのが基本です。簡単な礼服が一般的とされていますが、食事会の場所や子どもの意向で、カジュアルな服装を選ぶケースもあるでしょう。子どもが希望している服装がどのようなスタイルなのかをまずは尋ね、お互いの両親へ伝えてもらうとスムーズです。

簡単な礼服の場合は、男性はダークスーツに落ち着いた色味のネクタイを合わせます。女性も落ち着いたデザインのスーツやワンピースを選びましょう。カジュアルスタイルの場合も、男性はジャケット着用で臨むようにしてください。

顔合わせ食事会の段取りや流れ、座席位置・席順、をチェック

顔合わせの日程が決まったら、当日の流れについても確認しておきましょう。話しを進めるのは新郎となる男性がメインとなりますが、親同士で話し合うべきこともあるため、子どもと一緒に段取りを行っておくと安心です。

顔合わせ食事会は、
「男性の自己紹介と家族の紹介」
「女性の自己紹介と家族の紹介」
「両親による結婚の承諾」
「婚約や結婚式についての確認」
「重要な話を済ませた後に歓談」
という流れになるケースが多いでしょう。

着席する座席・席順は、男性の父親が入り口から一番奥の上座、新婦となる女性が一番下座となり、両家が向き合う形になります。話したいこと、聞きたいことが色々あるかと思いますが、進行は子どもたちに任せ、両親側が舵を取ってしまわないように注意しましょう。

顔合わせでもっとも大切なのは、両家が納得して結婚を承諾することです。「至らない部分もあるかと思いますが、娘をよろしくお願いいたします」「〇〇さんのような女性と結婚の運びとなり、大変嬉しく思っております」といった言葉で、この結婚を歓迎している旨を伝えましょう。

もし、相手の親が結婚に賛成していない場合、子どもたちが顔合わせの場で結婚の承諾をお願いする席となるでしょう。子どもを応援したい気持ちは分かりますが、親があれこれ言っては逆効果になるケースが多いですから、相手の親から質問されるような場面でなければ、子どもたちを静かに見守るようにします。

「自分自身があまり結婚に乗り気でない」という場合も、まずは相手やその親に会ってみるようにしましょう。実際に顔を合わせることで、抱いていた不安や疑問が無くなり、前向きな気持ちになれることが多いからです。

顔合わせの食事会で相手の両親に何から聞いたら良いのか分からない……という場合も最低限、
「子どもの結婚に承諾しているかについて」
「希望の結納や挙式スタイル、予算について」
「仲人はどうするのかについて」
「結婚後の同居や経済的援助について」
など、親の準備や負担などについて、確認しておくと良いでしょう。

なお、顔合わせの食事会で、この“結婚の承諾”を必ず決める必要はありません。決められるに越したことはありませんが、顔合わせの食事会では相手の家庭がどのような感じなのかを知ることが一番大切です。もともと結婚に乗り気でない場合や、両家で折り合わない点、疑問に思う点があれば、一度持ち帰りましょう。不安や疑問に思うことは、子どもも含め夫婦で落ち着いて冷静に話し合うことで解消することも多々あります。

結納を兼ねた食事会の場合は、食事の始まる前に、婚約記念品の交換や、結婚準備金を渡すなどの段取りとなります。婚約記念品の交換は、子どもだけで行う場合もありますが、両親に見守られることで結婚への意識が高まりますから、できるだけ立ち会うようにしましょう。

話し合いが済んだら、食事会のスタートです。緊張がほどけ気が緩んでしまう場面ですが、相手や相手の親へ、良い印象を最後まで与えられるようお酒の飲み過ぎには気をつけ、食事のマナーをきちんと守るようにします。箸やナイフ、フォークの持ち方なども、今一度確認しておくと良いでしょう。

食事会では、自分のことばかり話さず、相手の話へ興味を持ち、耳を傾けるようにします。顔合わせ前に、子どもの結婚相手とすでに何度か会い、仲良くなっているような場合でも、この場で普段通り話すのはNGです。男性であっても女性であっても、必ず「〇〇さん」とさん付けで呼び、食事会の場に合った言葉を選んで会話するようにしましょう。

どうする?両家顔合わせ時の兄弟対応

結婚へ向けた両家の顔合わせでは、お互いの兄弟が参加するケースもあります。子どもに兄弟がいる場合は、どのような形で兄弟が列席するのか、兄弟を呼ぶ場合はどのようなマナーがあるのかもチェックしておきましょう。

顔合わせで兄弟は呼ぶ?呼ばない?

顔合わせへ兄弟を呼ぶか呼ばないかは、子どもたちが判断します。できるだけ呼ぶようにするのが一般的ですが、“兄弟仲が良くない”“仕事が忙しくて時間が取れない”“遠方に住んでいる”など様々なケースが考えられるため、負担の少ない形で参加してもらうようにします。

相手に兄弟がいない場合、相手に兄弟がいる場合ともに、兄弟を呼びたい場合はまず相手へ許可を得るようにします。細かいことは気にしないタイプなら良いのですが、「自分の兄弟は忙しいのに、相手は来ていて残念だな」「うちは兄弟がいないから、本人と親だけで会いたい」といった気持ちを持っている場合もあるため、よく話し合っておく必要があります。

初顔合わせという緊張する場面で、兄弟が参加してくれることは、子どもにとって大きな頼りとなります。兄弟がいることで、場が和んだり、会話が弾んだり、という良いきっかけになるため、反対者がいないようなら、スムーズに参加できるよう、早めに声をかけておきましょう。

また、兄弟に子どもがいる場合は、子どもの声やお世話で大切な話を止めてしまうケースも考えられます。顔合わせの席では、兄弟の家族まですべて呼ぶのではなく、兄弟のみ、もしくは兄弟の配偶者までとしておく方が良いでしょう。小さな兄弟がいる、兄弟の数が多い、という場合も、相手の家族を困らせることのないよう、配慮が必要です。

顔合わせへ兄弟が列席する場合の服装

顔合わせへ兄弟も参加する場合、子どもや親と服装を合わせておく必要があります。当日予定している服装を先に伝え、準備しておいてもらうようにしましょう。大人であれば子どもたちに準じた服装、もしくは少し地味なもの、学生の場合は学生服で構いません。「顔合わせにふさわしい服がない」という場合は、本人や親の負担で用意するケースもあるでしょう。

服装だけでなく、会場や時間、相手の参加家族、食事の内容などは、細かに伝え、兄弟が安心して参加できるように準備しておくと、気持ちの良い顔合わせの場となります。

食事会への手土産は兄弟分も必要?

手土産を持参することの多い顔合わせの場では、多くの両親が準備を行っているでしょう。それでは、兄弟からの手土産も、食事会の場では必要なのでしょうか?その答えは、兄弟の職業や住環境によって変わります。

別世帯で暮らしている成人している兄弟の場合は、マナーとして手土産を持参すると良いでしょう。相手の兄弟が手土産を持ってきている可能性もあるため、安心のためにも持たせておきましょう。成人していない兄弟や、同居している兄弟が参加する場合は、両親が用意する手土産のみで構いません。

兄弟が挨拶を行うタイミングはいつ?

食事会では、家族の紹介が行われます。子どもの自己紹介に続き、紹介されたタイミングで、父親、母親、兄弟の順に、一言挨拶を行いましょう。兄弟が多い場合は年長者から紹介し、参加していない兄弟がいる場合は欠席の理由とともに、年齢や仕事など簡単なプロフィールを紹介するようにします。

顔合わせでの兄弟の席順は?

顔合わせへ兄弟も参加する場合、一番上座が父親、次に母親、兄弟、もっとも下座が本人となります。兄弟が多い場合は年長者が母親の隣に座り、年齢順に並ぶようにしましょう。兄弟が気遣ったり、慌てたりしないよう、当日の席順は、あらかじめ伝えておきましょう。

覚えておきたい!食事会をスムーズに乗り切る親の心得

顔合わせの場でなくても、「初対面の相手と上手に話すのが苦手」という方もいるでしょう。
中には「何日も前から緊張で落ち着かず、体調を崩してしまった……」という例もあるため、事前にできる準備や配慮を行っておきましょう。

当日の緊張を和らげるためには、事前に相手へ電話で挨拶をしておくと安心です。電話越しであっても会話を交わしたことがあれば、相手と打ち解けやすくなるでしょう。

もちろん、相手へ良い印象を与えることにもつながるため、食事会の日程が決まり次第、子ども側から承諾を得た上で、「当日はよろしくお願いいたします」と連絡しておきましょう。

食事会の席では、自分自身が話の糸口を見つけなければいけないケースも考えられます。そんな時、スマートに会話を楽しむためには、あらかじめ相手の情報を得ておくことが大切です。

生まれた地域が分かれば、有名な観光スポットや食べ物について、趣味を知っていれば、その分野について尋ねてみるなど、相手が話しやすい話題を振ることができます。

相手の家族とは今後も関わり合いを持っていくことになりますから、子どもや相手へ任せてしまうのではなく、こちらから配慮を行うことで今後の良い関係が築けるでしょう。

子ども側に音頭をとってもらい、食事会の最後に記念の写真撮影をしておくのもオススメです。

食事会終了後は、その日のうちにお礼の連絡を行うようにします。その後、日を改めてお礼をしたためた手紙を送れば、より相手へ好印象を与えられるでしょう。

[参考図書]

子どもが結婚を決めたら親が読む本 日本文芸社
結婚のしきたりとマナー新事典 朝日新聞出版
きちんとわかる結納と結婚のしきたり 日本文芸社

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