子どもの結婚!結納での親の準備~服装、流れ、結納品の飾り方、処分の仕方など

「結納」に備えた服装を用意しよう

「結納」を行う場合に気になるのが服装です。事前に新調したり、レンタルしたりする場合もあるため、忘れずに両家で話し合いを済ませておきましょう。両家の服装に差があったり、親子でズレがあったりしては、相手の家族へ悪印象を与えてしまいます。また、結納では子どもが主役のため、親は一歩下がった服装を選ぶよう心がけましょう。

正式結納の服装

正式結納を行う場合は「正礼装」で臨みます。父親は和装の場合は五つ紋付羽織袴、洋装の場合はモーニングを用意しましょう。母親は、和装の場合は紋付色留袖、洋装の場合はフォーマルなドレスを着用します。以前に購入したもの、親から譲ってもらったものなどがあれば良いのですが、そうでなければ貸衣装店を利用する、と言う手段もあります。

男性の子どもはフォーマルスーツを着用し、白、もしくはシルバーのネクタイを締めます。靴は黒の革靴を履くようにしましょう。女性の子どもは和装なら振袖、洋装ならフォーマルドレス、ワンピースを着用します。これから成人する女性の子どもがいる場合は、結納の場面を想定し、レンタルではなく購入しておくのも良いでしょう。

略式結納の場合

略式結納を行う場合は「準礼装」で臨みます。父親、男性の子どもはフォーマル、もしくはダークカラーのスーツを着用し、白、もしくはシルバーのネクタイを締めます。靴は黒の革靴を履くようにしましょう。母親は、和装であれば、紋付の色無地、訪問着、付下げ、洋装であればフォーマルスーツ、もしくは落ち着いたカラーのワンピースを選びましょう。

女性の子どもが、和装であれば、訪問着、付下げですが、最後の記念にと略式結納であっても振袖を希望するケースが多いでしょう。洋装の場合は、アフタヌーンドレス、ワンピースなど、肌が露出し過ぎないよう心がけます。和装を選ぶか洋装を選ぶかは、両家、そして母子間で必ず話し合い、合わせるようにしましょう。

結納の流れを事前にチェック!

「結納」を滞りなく終わらせるためには、一連の流れを頭へ入れておく必要があります。慣れない場で慌ててしまわないよう、親がしっかりとした態度で、子どもを見守るようにすれば、良い形で「結納」を終えることができるでしょう。

正式結納の流れ

「正式結納」を行う場合、どちらの親も自宅で準備をし、仲人さんが両家を行き来しながら「結納の儀」を進めていきます。自宅では、結納品を飾る、受書や祝い膳(祝い膳を準備しない場合は御酒肴料)の支度を行いましょう。

仲人さんが来る予定の時間が分かったら、正礼装で到着を待ちます。お互いの家が離れている場合は、「結納」が終わるまでに数日かかることもあるため、余裕のある人物に依頼すると良いでしょう。

仲人さんへ出す飲み物は、桜湯もしくは昆布茶となりますので、事前に用意を済ませておきます。緑茶は、正式、略式に関わらず、結納の席では出さないように気をつけましょう。

進行手順1

仲人さんが男性宅を訪問します。親と子どもは、女性への結納品を飾り、正礼装で出迎えましょう。次に、仲人さんには男性側が用意した結納品を届けてもらうよう依頼します。仲人さんは、目録を確認したうえで、結納品を持ち、女性宅へと移動します。

仲人さんが知人、友人の場合、つい話を弾ませてしまいがちです。ですが、「結納」は由緒正しい儀式の場ですから、私語は慎み、必要なことだけを伝えるようにしましょう。

進行手順2

仲人さんが女性宅を訪問します。関東式の場合は、女性からの結納品を飾っておきます。仲人さんが男性からの結納品を納めます。仲人さんは常に、上座へ案内するようにしましょう。

女性本人、もしくは親がお礼の口上を述べた上で、目録を確認した後、結納品を飾りましょう。最後に、女性からの結納品、そして男性からの結納品に対しての受書を仲人さんへ預けます。仲人さんは、女性側の目録を確認の上、再び男性宅へ移動します。

関西式の場合は、女性側が結納品を用意しないため、結納品を飾ったら、仲人さんへ受書のみを預け、男性宅へ届けてもらいます。

進行手順3

関東式の場合、仲人が女性側からの結納品を納めます。男性本人、または親がお礼の口上を述べ、目録を確認した後、結納品を飾るようにしましょう。男性側も結納品に対しての受書を渡し、再び女性宅へ届けてもらいます。その後、互いの結納品が無事納められたことを祝って、祝い膳で仲人さんをおもてなししましょう。祝い膳を省略する場合は、御酒肴料を渡します。

関西式の場合は、仲人が受書を男性に届けることで、結納の儀は終了となります。仲人さんヘは、無事に女性側に結納品を受け取ってもらえたことを祝う、祝い膳を用意します。祝い膳を省略する場合は、御酒肴料を用意しておきましょう。

「結納」についての「謝礼」や、タクシー代などの交通費などの「御車料」は後日仲人さんの家へ届けますが、遠方の場合などは、このタイミングで渡すこともあります。

進行手順4

関東式の場合、仲人さんが男性側から預かった受書を女性宅へと届けます。これで結納は
終了となります。仲人さんから締めの挨拶を頂きましょう。祝い膳でもてなすこともありますが、男性宅ですでに祝い膳が出されているケースが多いことから、女性宅では持ち帰りできる折り詰めを用意したり、御酒肴料を包んだりする場合もあります。

仲人さんの家が遠方の場合は、ここで「結納」についての「謝礼」や、タクシー代などの交通費などの「御車料」を渡しても良いでしょう。

略式結納(仲人あり)の流れ

正式結納は、仲人さんへの負担が大きいことから、現代では両家の人間と仲人さんが一つの場所へ集まる、略式結納を選ぶケースが多いでしょう。結婚式場やホテルなどの結納パックを利用すれば、準備の手間を大きく省ける点も人気です。

関東式の場合は上座に男性、女性それぞれの結納品を並べ、本人、父親、母親の順番で席につきましょう。仲人さんは、一番手前側で、結納を進行していきます。そのため、仲人さんのいる略式結納では、両家は言葉を交わしません。実際には目の前にいますが、正式結納のように、遠くにいる気持ちで挑むと良いでしょう。

結納品を受け取る口上は、それほど難しいものではないため、事前に暗記しておきましょう。どうしても覚える自信がない場合は、周囲から見えない形で、メモを用意しておきます。結納品のやりとりを行う仲人夫人と母親以外は、結納の儀の間は着席したままとなりますので、口上を述べる際、つい立ち上がってしまわないよう注意しましょう。

進行手順1

全員が結納の会場へ着席したら、仲人さんから始まりの挨拶があります。仲人さんの挨拶に応える形で、男性の父親が本日のお礼を述べましょう。

進行手順2

男性の父親からの声かけで、仲人さんへ結納品を渡します。仲人夫人が女性の子どもの前へ結納品を置きますので、本人、父、母の順で目録を確認しましょう。最後に女性の子どもが目録を正したら、父親、女性の子ども、の順に口上を伝えます。

進行手順3

関東式の場合、女性の父親の声かけで、受書、女性からの結納品を仲人さんへ渡します。仲人夫人が男性の子どもの前へ結納品を置きますので、本人、父、母の順で目録を確認しましょう。最後に男性の子どもが目録を正したら、父親、男性の子ども、の順に口上を伝えます。

関西式の場合、女性の父親の声かけで、受書を仲人さんへ渡します。仲人夫人が男性の子どもの前へ受書を置きますので、父親、男性の子どもの順番で口上を述べましょう。

進行手順4(関東式の場合)

男性の父親からの声かけで、男性側からの受書を仲人さんへ渡します。仲人夫人が女性の子どもの前へ受書を置きますので、父親、女性の子どもの順に口上を伝えましょう。

進行手順5

仲人さんが締めの言葉を述べ、結納の儀が終了となります。一堂で礼をした後、男性の父親、男性の子ども、女性の子どもの順にお礼のあいさつを述べましょう。無事に結納が済んだ後は、祝宴が行われるケースが一般的です。祝宴の際は、仲人さん夫婦に上座へ移動して頂き、感謝の言葉を伝えながら、子どもたちの結婚を一緒に祝いましょう。

略式結納(仲人なし)の流れ

現在行われている結納の中で、もっとも主流なのが仲人さんなしの略式結納です。結納を進行する仲人さんがいないため、男性の父親が結納を進行します。子どもの元へ結納を持っていくのは、お互いの母親が行いましょう。

自宅で結納を行う場合、女性の家へ男性家族が足を運ぶのが古くからの慣習ですが、現在は両家話し合いの上、男性宅で行うケースや、ホテルなどの会場で行うケースも少なくありません。

結納品や受書は、和室であれば床の間、洋室であればテーブルに飾り、上座から子ども、父親、母親の順に着席したら、結納の儀を開始します。

「自分たちではうまくできる自信がない」「結納の厳かな雰囲気を出したい」という場合は、結婚式場やホテルなどのスタッフが、準備や司会、結納の進行をサポートしてくれる結納サービスを利用するのがオススメです。

進行手順1

男性の父親が、結納の開始を告げます。女性の父親は、これを受け、「よろしくお願い申し上げます」などの言葉を述べましょう。

進行手順2

男性の母親が、女性の子どもの前へ結納品を持っていきます。男性の父親から口上を述べたら、女性の子ども、父親、母親の順に目録を確認し、女性の子どもが目録を正しましょう。次に女性の子どもが、御礼の口上を述べます。

進行手順3

女性の母親が、受書を男性の子どもの前へ持っていきます。女性の父親が口上を述べたら、男性の子どもから、御礼の言葉を伝えましょう。

進行手順4(関東式のみ)

関東式の場合は、女性の母親が男性の子どもの前へ結納品を持っていきます。女性の父親が口上を述べたら、男性の子ども、父親、母親の順に目録を確認し、男性の子どもが目録を元に戻します。次に男性の子どもが、御礼の口上を述べます。

進行手順5(関東式のみ)

関東式の場合は、男性の母親が、受書を女性の子どもの前へ持っていきます。男性の父親が口上を述べたら、女性の子どもから、御礼の言葉を伝えましょう。

進行手順6
関東式では1~5まで、関西式では1~3までが滞りなく済んだら、男性の父親、次に女性の父親が口上を述べ結納の締めを行います。最後に一堂で礼をしたら、結納の儀は終わりとなります。

ホテルや結婚式場の場合は、結納後そのまま祝宴となりますが、自宅の場合は仕出しを頼んでおく、近くのレストランや料亭へ移動し祝いの席を持つ、というスタイルになるでしょう。

正しい結納品の飾り方

結納を取り交わしたら、挙式まで結納品を自宅へ飾っておく必要があります。挙式までの期間が空く場合は、一度下げても構いませんが、結婚祝いの来客などがある場合は、必ず結納品を正しく並べ、お披露目するようにしましょう。

関東式の場合、和室であれば床の間へ、片木盆ごと飾りましょう。洋室の場合は、テーブルの上や棚などの上へ、同じく片木盆ごと載せて飾ります。

関西式の場合も、和室であれば床の間へ飾りますが、結納品が一つ一つ台に載せられているため、スペースが足りない場合もあるでしょう。その場合は、上座へ緋毛氈を敷いた上で、飾るようにしましょう。洋室の場合はテーブルや棚の上などに、一つひとつ並べ、飾るようにします。

子どもが一人暮らしをしている場合も、結納品を飾るのは実家です。大切な結納品が、埃をかぶったり、汚れたりしないよう、常に気を配るのも親の役目です。

いつ?どこで?結納品の処分法

結納品は挙式後に片づけを行います。昆布やするめなど、食べられる品は調理し、家族で戴いて構いません。食品以外の結納品は、子どもたちの新居へ持っていくのが習わしでしたが、近年では両家話し合いの上、処分するケースがほとんどです。

処分の際には、目録、受書などのかさばらないものは結納の記念に取っておき、それ以外のものは神社やお寺で「お焚き上げ」をしてもらいます。お焚き上げに出す前に、記念の写真を残しておいても良いでしょう。お焚き上げの際は、お寺の場合は「御宝前」、神社の場合は「初穂料」として、5,000円程度を包むのが一般的です。

関東式では、これらの形で処分を行いますが、関西式の場合は一つひとつの結納品の価値が高いため、兄弟で使いまわすケースもあります。女性の子どもを持っている場合は、この「福分け」が行われる可能性があるため、相手へ確認せず結納品の処分を行ってしまわないようにしましょう。

関西式の結納品はとても豪華なため、処分すると決めた場合も、お焚き上げしてしまうのがもったいないほどの水引飾りがついているケースがあるでしょう。これらの飾りは、結納品を扱うお店で羽子板や額装の加工をお願いできます。

記念になるだけでなく、正月や節句などのタイミングで飾れば、場が華やかになるため、親子で検討してみるのも良いでしょう。大切に飾っていることで、相手の家族へも好印象を与えられます。

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