愛するふたりが結婚の意思を固め、いざ婚約へ向けて準備を始めようとしても、最初は何から手をつけてよいのか戸惑うところです。
結婚情報誌を手に取ってみても、状況は人それぞれ。いざ自分たちの場合はとなると、誰に何を聞いていいのか、すぐには思い浮かばないかもしれません。
婚約までの手順について、しきたりや慣習など具体的な情報に触れたことがなければ、婚約までの道のりは長く、そして険しいものに感じられるでしょう。
ここでは、そんな不安を解消するために、まずは自分の親への結婚の報告の仕方について、伝え方、タイミング、切り出し方、結婚相手の紹介の仕方、相手の親への結婚挨拶の日程などその流れにそって順に紹介していきます。
目次
結婚への第一歩は、自分の両親への結婚報告のタイミング~報告はなるべく早めに
二人で将来を共に生きる意思を固めたら、まずは自分の両親への結婚報告です。
親にとっても我が子の結婚は、言葉に出さずとも、最も気がかりで大切な事柄の一つです。
そんな親心を察して、二人の結婚の意思が固まったらあまり時間をあけず、なるべく早めに「結婚を決めた」ことを伝えましょう。
親への結婚報告を伝える手段は?
人生で一番大切な決断は、やはり直接会って報告するのが一番です。親が遠方にいる場合や、忙しくて休みが取れない時、電話やメールでの報告も可能ですが、人生を左右する重要な報告。やはりここは改めて実家に帰る機会をもうけたり、ビデオ電話を利用するなどして、お互いの表情や反応を確認しながら報告するのが望ましいでしょう。
普段の連絡はラインのようなメッセージアプリでという方も、メールやラインでは結婚という真剣なシチュエーションでの責任・覚悟が伝わりにくかったりやや重みにかける印象がありますので、あなたの本気を示すためにも、この時ばかりは「話がある」くらいの軽い前置きにとどめておき、本題は必ず対面か電話で伝えるようにします。
結婚報告を伝えるタイミングは?
食事のあと一服している時や団らんの時など、リラックスしている時は、人は話を好意的にとらえることができます。
ドラマでは、突然改まって「結婚したい人がいるんだけど…」と切り出すと、聞かされた親には少し戸惑う表情が…といった場面を目にすることもありますが、結婚のプロセスにも仕事の時と同様、やはり『根回し』は大切です。
結婚の意思を報告する前に、まずはお付き合いしている人がいることを親にはそれとなく伝えておきましょう。
一つずつ段階を踏むことで、親も心の準備ができ、よりスムーズにその後の結婚報告を受け入れてもらえるでしょう。
結婚報告の切り出し方は?
普段何気なく会話している親であっても、改まって真面目な話をするとなると、気恥ずかしさや緊張で話しづらくなるものです。
ここからは、結婚報告を切り出す際のパターンをいくつか紹介していきます。
①親が交際相手のことを知っている場合
すでに親が交際相手のことを知っている場合、「交際相手も改めて結婚の挨拶に伺いたいと言っているんだけど、都合の良い時に会ってもらえるかな…?」と言って、交際相手との結婚について親がどのように考えるのか、その反応を確かめます。
ただ、知っていても交際相手に対してあまりいい印象を持っていない場合もあると思います。
外見が派手であったり、言葉遣いや立ち居振る舞いが好ましくないといった表面的なことや、男性なのに仕事嫌い、定職がない、経済力がない、女性なのに家庭的でない、また病気がちなど、原因はいろいろ考えられます。
そんな時は、仕事の無い男性は定職についておく、経済力が弱い場合は共働きの計画を立てる、家庭的でない女性は料理、洗濯、掃除のうち2つくらいは最低できるようにしておく、健康に不安のある人は対処法はもちろん、根本治療にとりかかっておくなど、相手の親に「この人なら大丈夫」と思ってもらえるように努めましょう。
②親が交際相手の存在をまっく知らない場合
両親が交際相手の存在をまったく知らない場合、まずお付き合いしている人の存在を知ってもらうことが先決です。普段からさりげなく交際相手の話を織り交ぜ、徐々にその存在になじんでもらってから「結婚したいと考えているので、都合の良い時に会ってもらえないか?」と結婚報告をしましょう。
③結婚前に妊娠がわかった場合
結婚前に妊娠がわかった場合、つまり『授かり婚』では、結婚の話を切り出すのにはとても気を遣います。
妊娠・結婚という二つの知らせを、突然しかも同時に聞かされる親は、最初は戸惑って動揺することは容易に想像できます。でも、授かった新しい命、しかも自分の血のつながった孫ができると考えれば、それはやがて大きな喜びに変わり、前向きにとらえてもらえる時が必ずくるはずです。ですから、びくびくすることはありません。改まった落ち着いた態度で、授かった新しい命を大切に育てたいという覚悟をもって伝えれば、きっとその思いは伝わるでしょう。
授かった新しい命は日々成長しています。
言い出しづらくてつい報告を先延ばしにしていると、大切な新しい命、そして女性の体にも影響を及ぼしかねません。
なるだけ早く親に報告し会う機会をもうけて、具体的な対応を検討していきましょう。
そのためにも、両親がそろった場面で報告することが望ましいです。
④相手が再婚の場合
離婚の場合、その原因が何かをはっきりさせる必要があります。前の結婚相手に暴力、異性問題、借金、ギャンブルなどの原因があった場合は問題ないですが、自分の交際相手に非があった場合は、本人同士がその問題についてよく話し合って納得してからでなければ、親を説得することはできません。
今後どう改善し解決していくかを二人で十分に話し合い、ビジョンをはっきりさせておきましょう。
また、前の配偶者との間に子供がいる場合は、親権や養育費が再婚後にどうようになるか、前の配偶者がどういう状態でいるのかを、説明できるようにします。
死別の場合は、どれくらい時間が経過しているのか、その後の気持ちの整理はできているかも説明できるようにしておきます。
⑤相手が外国人の場合
最近では国際結婚も珍しくはありませんが、親世代にとってはまだまだ抵抗があるかもしれません。言葉の壁、文化の壁を越えて意思疎通できるのか不安に感じてもおかしくないものです。
国籍・宗教・慣習・相手の家族の理解・これからどこに住むのか・相手の結婚観などを説明しながら、困難も二人で解決し乗り越える覚悟があることを、理解してもらうようにしましょう。
ここまで、いくつかの個別のパターンをお伝えしてきました。
ここからは、どのパターンでも共通する基本的情報について紹介します。
結婚相手の情報、基本は何を伝えたらいい?
「結婚したい人がいるから会ってほしい」と切りだす時に伝えるべき相手の情報は、相手の「名前」「年齢」「職業」「出身校」などの基本的なプロフィールはもちろんのこと、出会いの馴れ初め、人柄については、その長所が感じ取れるような具体的なエピソードも交えながら、イメージがしやすいように伝えましょう。
「これから家族として馴染み、うまくやっていける人なのか? 自分の大切な子を心から愛し、信頼できる人なのか?」など、親の心配は多岐にわたります。
お見合いの場合は、出会う前にあらかじめ「釣書」でお互いのプロフィールを交わすので、親も相手の情報を承知した上で交際を始められ、また、デートの経過を仲人や自分の親に伝えながら進めますので、いざ結婚の意思を固めれば親への報告もスムーズにできます。
しかし、恋愛の場合は、親は交際相手の情報を細かく知らないことが多いでしょう。結婚を決めた時点で一度お互いのプロフィールを交換しておくと、親へ報告する際、また、婚約へ進む上での手続きの助けになります。あとになって改めて基本的な情報を確認するのは、意外に聞きづらいものです。
また結婚紹介所での出会いの場合は、本人同士はプロフィールを交わしていますが、親は相手の情報を知らないことが多いと思いますので、本人に加えて家族のプロフィールも紹介交換することをお勧めします。
なお、相手の「親の職業」「親の出身地」「親の学歴」「兄弟姉妹の有無」「兄弟姉妹の職業」「兄弟姉妹の学歴」「親戚関係」といった情報は、一見見落としがちですが、親にとっては重要なポイントです。
結婚すれば当人同士だけではなく、家同士についてもお付き合いが始まり、冠婚葬祭などで顔を合わせる機会も出てきます。それぞれの家庭を受け入れ、新戚としてうまくお付き合いできるかは、親も不安に思うところです。説明できるようにしておきましょう。
ここに「親の職業」になってついてのエピソードがあります。
男性は現在会社員で、仕事にもやりがいを感じ充実していましたが、いずれ父親の会社を継ぐことになるだろうと考えていました。
相手の女性には、まだその意向ははっきりと伝えていなかったので、女性を親に紹介する段階で初めてその話になりました。
しかし、彼女自身はサラリーマン家庭に育ち、自営業にはまったく馴染みがなかったため、その生活をイメージすることは容易ではありませんでした。二人で将来の展望について話し合いましたが、女性はどうしてもうまくやっていく自信がないといい、結局その結婚の話はダメになってしまったそうです。
本人の愛情だけでは解決できないこともあります。
普段の親の考え方を思い起こし、大切にしている事柄や情報は何か、もし自分が親の立場ならどんなことが知りたいかを想像し、理解が得られないと思われるようなことに関しては、早めに伝えるようにしておきましょう。
結婚報告が済み、前向きな反応で賛成してもらえるようなら、次は挨拶する日程の調整に入ります。
残念ながら反応が思わしくない場合、「何か気がかりなことがあるのなら聞かせてほしい」と、親が心配に思う点など、率直な感想をたずねます。たとえ否定的な意見であっても、感情的になることなく冷静に向き合い、理解・納得を得られるよう丁寧に説明しましょう。
この段階で理解が得られないまま準備を進めれば、その先により大きな問題が発生する可能性がありますので、気がかりな点は億劫がらずにひとつずつ塗りつぶしていきましょう。
相手の親への結婚の挨拶の日程は?
交際相手の親へ結婚の挨拶をする日程の設定は、結婚報告から近すぎず遠すぎず、のタイミングで行って下さい。
「結婚の挨拶に二人で行きたいんだけど…都合の良い時に会ってもらってえるかな?」と切り出し、訪問日時の都合を確認します。
時間帯は、休日で親の比較的ゆっくりしている時間、午前なら11時くらい、午後なら昼食を終えてひと休みした2時くらいがベストです。
滞在する時間は2時間ぐらいをめどにし、おいとまするおおよその時間は伝えておきましょう。午前に訪れるなら昼食が、午後なら夕食の準備が必要かどうか、親に余計な気遣いをさせないようにするためです。
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